A3f09c3a713250aac6d7d39ea7093ce9萵苣さんの創作っ子
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那智

『夢を、"希望"を信じていいのならば…幸せを抱く事が許されるのならば…私は…』

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    プロフィール

    フルネーム
    高遠 千捺(たかとお ちなつ)
    フリガナ
    なち
    登場作品
    蒼海とEuphoria
    年齢
    28歳
    誕生日
    6月15日
    性別
    身長
    187㎝
    体重
    77㎏
    出身地
    日本
    一人称
    二人称
    貴様、貴方、貴殿
    Medal button
     

    妙高型重巡洋艦2番艦 那智

    【発注】大正12年度艦艇補充計画
    【起工】1924年11月26日
    【進水】1927年6月15日
    【就役】1928年11月26日
    【最期】1944年11月5日
    【除籍】1945年1月20日

    船体としての年齢は92歳


    姉妹艦揃いの白い軍服に黒衣の外套を纏っている。
    背の中頃より少し長く伸びた青みがかった黒髪をポニーテール状に結い上げ、白い布をあしらった髪留めを飾る。
    首元に巻いた包帯は常に血が滲んでいる状態。
    瞳の色は濃い真紅。デフォルトで眉間にシワを寄せており、非常に目付きが悪い。

    今より一層頭が硬くぴりぴりと気を張っていた為に目付きもすこぶる悪かった。
    必要最低限の身なりだけ整えた状態であった為に、髪の毛は伸びっぱなしで毛先もざんばらの状態。
    それに目くじらを立てたのが部下であった駆逐艦 秋霜。レイテ後に彼女へ補給をする際「那智さんお化けみたい!秋霜が整えます!」と多少強引だったが、今の髪飾りと髪型を仕立ててくれ、那智が身なりに一層気を使うきっかけとなったのである。

    常に気難しい顔をした長髪長身の青年。寡黙で規律正しく冗談が通じない真面目な性格。少々頭が硬いがお人好しで仲間思いの激情家でもあり、責任感を他人に要求する分、自分自身も余計な責任まで背負い込みすぎる面がある。
    そして他人を思いやるあまり考え過ぎる傾向も合わさって、自分の言動を反芻し自己嫌悪に陥る事も。

    通常"船"の体に刻まれた傷痕は大小、数、程度に個体差はあれど全て問題なく塞がれているものだ。
    那智自身も例外でなく、胴体に刻まれた大きな傷痕は問題なく塞がっているが、首にぐるっと刻まれた傷だけはどれだけ治療しようとも治る事はなかった為、仕方なくキツく包帯を巻く事で補強している状態。なので彼の首元に巻かれた包帯はどれだけ取り替えようとも常に鮮血が滲んでいる。

    あくまでも応急処置を延々と施しているだけなので、強すぎる衝撃には耐えられず胴体から首が離れてしまったり、ストレスを感じるとどんどん首が傾いてきたりと不便が多い。
    縫合による治療も試してみたが、それにより発生した激しい痛みに本人が耐えきれず断念する事となった。
    "船"はその本人の精神状態に体調と体質が左右されやすい存在である為、この首の傷も彼の精神的不安に起因するものと考えられる。

    上記の通り非常に近寄り難い雰囲気をしており、一部の小さな艦艇は彼に畏怖の念を抱いてる者もいる。本人的には普段通り過ごしているだけなのだが、この雰囲気と高身長、輪をかけて性格の補正も掛かり高圧的に捕らえられる事もしばしば。
    飄々とした人物やふわふわした掴み所のない人物の応対が苦手らしく、よく振り回されている。

    "船"となる前、幼い頃よりこの世のモノでない存在を視認する事ができる能力を持つ。
    あまりにもあからさまな存在は極力関わらない、視界にも映さないように徹底して心掛けているが、人と姿形の変わらない存在は生者との区別がつかず、特に幼い子供のような相手だと誘われるがままに接触を許してしまい肩に憑かれる事も。

    昔から兆候はあった気がする。
    一つ上の姉妹艦、妙高。兄様を見ているとどことなく胸が締め付けられるような気持ちになるのだ。
    この時代に再度存在し、巡り合ってからこの感情の疑惑は確信に変わった。
    兄様に出会う時はいつも以上に身嗜みに時間をかけた。彼の期待に応えられるように努力を重ねた。

    だが…彼と自分にはあまりにも近すぎて遠すぎるように思う。
    自分は"(死体)"で彼は"人間"の身、何よりも同性同士だ。受け入れてもらえない可能性の方が極めて高い。
    だがら、この思いは密やかに抱いたままで、誰にも打ち明けないままこの身朽ち果てるまでそのままにしておこうと……そう、思ってたはずだったのに。

    酒の席でうっかり、そうだ、うっかりだった。
    自分はどうやら彼への思いを言われるがまま吐露して潰れていたらしい。
    幸か不幸か…本人に伝わる事はなかったらしいが…結果的に一人の女性…高雄を失恋へと導く事へなってしまった。
    彼女にも諦めねばならない事情があった事も最近知る事があり、なんとも遣る瀬無い気持ちで胸が苦しい。彼女も"船"へなれば命を蝕む苦しみから解放できるのかとも考えたが、彼女まで化物の仲間入りをさせる訳にはいかないと最後まで言い出す事はできなかった。

    嗚呼…私をお赦しください。

    ………体調を崩した高雄と兄様のやり取りを影で聞いていたあの日。
    改めて彼とお話する機会ができた、いや正確には度重なる高雄の助けがあってこそだった。

    『………俺は、お前の事を遥か昔に出会ったただの弟であり、仲間としか思えない…だが、高雄からの言葉を胸に、お前からの気持ちを無駄にはしたくはない。
    もう一度、お前という一人の人間を見ていく事にする。』

    嬉しかった。
    このまま声を上げて泣き出してしまいたいぐらいに。
    自分を、化け物でも同性でもとしてでもなく……一人の人間として、この人は見てくれているというのだ。
    このような存在に成り果てた私を…この人は、嗚呼…嗚呼。

    …嗚呼、確かに昔から兆候はあった。これは私が人であった時まで遡る。
    実家の神社の宮司として、修行の為に同席させられた祭りの席。煌びやかな雰囲気の人々や者がたくさん神社に来るという事は、その影に隠れて良からぬ者も多く侵入してくるという事だ。
    昔からそういった者の存在を酷く感じやすかった私は、目の前がぐるぐると回るような倦怠感と吐き気を催し神社の裏側で蹲ってしまっていた。
    表は祭りの喧騒の中、誰も気がつく者などおるまい、家の者は後々大層私を叱るだろう…と考えを巡らせていたその時だった。彼が私に声をかけてくれたのは…。

    その流れるような緑の髪、煌々と輝く切れ長の紅い瞳。どこか吸い込まれそうな力を感じ、体調不良も忘れ暫しの間見入ってしまったのだった。
    今思えば、これが二度目のだったのだろう。
    彼は祭りが終わってからも滞在期間の間、甲斐甲斐しく神社に通ってくれていた。申し訳がない分、それ以上に嬉しくて仕方がなかった事をよく覚えている。
    大條 高宏さん、もう会う事はないだろうが、互いに名を名乗り合ったあの時を生涯忘れる事はないだろう。……そのはずだったのに。


    【自宅艦船関係】
    最上…最上
    →最上型重巡洋艦、かつてスリガオ海峡にて衝突した青年。ふわふわしていて感情豊かな彼によく振り回される事が多いが、あながち満更でもない。
    酒の席で酔い潰れられた時はだいたい那智が最上の回収に回る。

    加古衣笠…加古、衣笠
    →古鷹型と青葉型の重巡洋艦の青年達。落ち着きのある加古と激しい性格の衣笠とこの鎮守府ではニコイチのイメージである。
    なかなかいいコンビだと思っていたが、とある秘密を知ってから少しはらはらした目で見ている。

    キソ(木曾)…木曾
    →球磨型軽巡洋艦、最近まで男性だと思っていた。第五艦隊所属の同僚だった女性。
    なんとなく考え方の合致もあり、同鎮守府内では割と落ち着く相手。彼女の淹れてくれたコーヒーが今のところ一番美味しいと思っている。

    名取…名取
    →長良型軽巡洋艦、どこか陰気な雰囲気を持つ女性だなと思う。なにやら近しい何かを感じているが、まともに話せた事はない。

    彼女もまた野際の系譜。関係としては従兄弟にあたる。

    しゅか(酒匂)…酒匂
    →阿賀野型軽巡洋艦、人懐っこい少女だと思っている。よく自分の髪を梳いてくれるのは嬉しいが、髪型で遊びだす為に油断ならない。

    秋ちゃん(秋霜)…秋霜
    →夕雲型駆逐艦、かつて自分の傘下で活動していた部下。ざんばらでぼさぼさしていたかつての自分の身嗜みを整えてくれた少女。彼女の強引な行動は那智が今後身なりに一層気を使うきっかけになった。
    なんだかよくいろいろと物をくれる。

    (江風)…江風
    →白露型駆逐艦の青年、かつて自分の傘下で活動していた部下。姿が大きくなった今も昔と変わらずぴょんぴょん元気に跳ね回る様は結構だが、もう少し落ち着いてほしい。

    レジーナ・マリーア…足柄の知り合い
    →ルーマニア所属である駆逐艦の少女。弟の足柄ととある観艦式で顔を合わせたという話は聞いている。
    茂みに隠れきれていなかった彼女を曙と共に発見したのが事の始まり。今ではその曙と仲良くしているようで微笑ましく思っている。

    【うちよそ関係】
    妙高(依式さん宅)…兄様

    足柄(呉蓮さん宅)…足柄
    →妙高型重巡洋艦、同型艦の弟。
    おおらかで豪快な彼の行動にしばしば口を挟む事もあれど、そんなところを少し羨ましく感じている。

    羽黒(依式さん宅)…羽黒
    →妙高型重巡洋艦、同型艦の妹。
    気高くどこか華やかな振る舞いを持つ彼女を誇らしく思っており、また彼女のそんなところも少し羨ましく感じている。

    高雄(ランさん宅)…高雄
    →高雄型重巡洋艦の女性。中性的な風貌である為か男性だと思い込んでいた。

    摩耶(犬養さん宅)…摩耶
    →高雄型重巡洋艦の青年。
    彼の性能と実力は素直に認めている。認めているが粗暴な言動がどうしても気に障って仕方がなく、ついつい口を出してしまう為よく喧嘩になってしまう。

    筑摩(ランさん宅)…筑摩
    →利根型重巡洋艦の青年。
    同じ兄に恋慕の情を寄せる者同士、通じ合うところがありなんだかんだ安心して話をよく聞いてもらっている。飄々とした彼の無茶振りに振り回されいつもたじたじさせられている。(>"< ;;)

    (ランさん宅)…曙
    →特Ⅱ型(綾波型)駆逐艦、元僚艦であり部下。
    自分の髪に結えている髪留めの切れ端を譲渡した人物。物静かで大人しい彼にどこか安心感を覚えており、駆逐艦の中では一番信頼を置いている。

    ブルー・レディ(レキシントンⅡ)(依式さん宅)…レキシントン
    →エセックス級航空母艦、かつて自分を撃沈せしめた相手。彼女の事は悪く思っておらず、その実力を素直に認めている。
    まさかあそこまで綺麗な髪をした美しい乙女だとは思っていなかった、という感想は内緒。


    イメージCV:浪川大輔


    高遠 千捺(たかとお ちなつ)
    かつての妙高型重巡洋艦 那智が転生した姿。
    寂れた旧家の生まれであり、静かな山間の大きな神社の跡取りとして自然に囲まれて育ってきた。
    千捺という名は「千よりたくさんある物事を見て自分自身を育む糧としてほしい」という意味の裏側に「貴方の全てをいつまでも私という愛の手の中で抑えつけていたい」という夫に愛を向けられていなかった母の強すぎる思いが込められている。

    野際という霊力を秘めた家系より嫁がされた母によく似た青く、黒い髪。
    そして彼もまた幼い頃より幽霊の姿を視認できる能力を持っていた。その為か人でないモノに髪や服の裾を引かれる事が多く、大小様々な擦り傷をよく作る子だった。
    この高遠もまた親族に竜宮という霊力に秀でた一族から分家した一族であるが、力に衰えの兆しを感じた高遠家は野際家より一段と霊力に秀でた女を嫁に迎え入れたのであった。

    母より異様な愛情を向けられて育っており、幼い頃よりその異常さに気が付きながらも"母の望むいい子"でいようと気持ちを押し殺して日々を生きていた。
    どれだけ歪んだ愛であろうともただ事務的に頭を撫でる父の手よりも、自分の長い髪を梳いてくれる母の優しい手は本物だったから。

    しかし、祭りの晩に出会ったの事がどうしても忘れられず、28歳になっても相手を見つけて来ない千捺に見合いの話が舞い込むようになると、母の精神状態も本格的におかしくなり突然感情を荒げる事も多くなってきていた。
    父を始め家の物はそんな母に愛想を尽かしていたが、「私だけは貴方を捨てませんから」と千捺だけは母を見捨てるような事はしなかった。
    しかし、とある晩のこと。
    「どうせ貴方も私を見捨てるんでしょう」
    「捨てられるぐらいならこの手で貴方の存在を私の中で永遠にするわ」
    と涙を流し自分の胴体を踏みつけた母の顔をただ呆然と見つめながら、薪割り用の斧で斬首され死亡する事となる。

    気がつくと重巡 那智として辺境の鎮守府へと存在していた。
    高遠千捺としての記憶はさっぱりと抜け落ちていたが、心に刻まれた虚しさは今も尚抱き続けている。