デリットの過去 

Kk カゲネコさんからのエピソード


デリットはアリス派閥の家に生まれました。父、母、デリット、一つ下の妹、の四人家族。どこにでもいる普通の家族です。
でも、デリットだけは変わり者扱いをされていました。マイペースということと、人とは違う不思議な絵を描くからです。
両親や学校の先生、友人はデリットの絵を気持ち悪いと言いました。デリットは自分の絵を分かってもらおうとしたけど、誰も分かってはくれませんでした。
ですが、一つ下の妹だけはデリットの絵を好きだと言ってくれました。そのため、よく妹から「絵描いて」と頼まれていたようです。

デリットが10歳の時、父親の呪いが進行し、理性を失い怪物となってしまいました。背中からはハリネズミのように先がハートの槍が生えていました。
その日、学校から家に帰ったデリットは部屋で母と妹が血の海の中で倒れているのを見ました。
その色はとても綺麗で、今だにこれを超える赤色を見たことがないそうです。
しかし、ずっと見とれていることはできませんでした。うしろから怪物になった父が襲ってきました。逃げても逃げても追いかけられ、追い詰められ死ぬと覚悟したとき、狂信者によって助けられました。
この時の出来事から、デリットは怪物が大嫌いになりました。

一人になったデリットは画家の祖父の元で暮らすことになりました。祖父もまた周りの人から変わり者と言われていました。
祖父はデリットの絵を変だと言う事はありませんでした。「面白い個性だ」と言ってくれました。デリットにとって、祖父との生活はとても楽しいものでした。

デリットが18歳の時、祖父に呪いが現れ始めました。
祖父は、自分の息子…デリットの父親の事を思い出し、同じ事を繰り返さないようにという思いから、置き手紙を一通残し蒸発してしまいました。
その手紙は「このアトリエはデリットの自由に使っていい」という内容のものでした。

デリットが今使っているアトリエや道具は
全て元は祖父のものなのです。

デリットが20歳の時、突然頭が割れるように痛くなり気を失ってしまいました。目が覚めると自分と周りは血だらけ、そして頭には真っ白なバラが咲いていました。
それからは不便な事ばかりでした。服は破れるわイバラは絡まるわ頭痛が起きるわ…それでも絵を描く事は辞めようと思いませんでした。
それはずっと「おじいちゃんのようになりたい」という想いがあるからなのかもしれません。

デリットは、昔祖父から言われた言葉を今でも忘れずに覚えています。

「普通を気にして個性を潰しちゃ駄目だ。
普通に囚われるんじゃない。自分の好きなようにやりたまえ!」

きっと、その言葉通り、デリットは好きなように生きているのでしょう。


このエピソードの登場人物